カスケードダウンプログラム
~経営戦略浸透に向けた3つのステップ~
センターボードは経営戦略の浸透策として
カスケードダウンプログラムを提供します
カスケードダウンとは
カスケードダウンとは、直訳すると「滝が流れ落ちる」という意味です。ビジネスにおけるカスケードダウンは、経営層が設定した上位レベルの方針を、上から下に滝のように下ろし、下位レベルの部や課、社員の具体的な行動計画や目標に細分化しながら落とし込むマネジメントのプロセスを指します。
目標管理制度との違い
経営戦略の浸透策として考えられる目標管理制度とカスケードダウンには、大きく二つの違いがあります。
1.経営戦略をストーリーで伝える
一般的な目標管理制度では、経営戦略に関する個別の課題や設定目標といった断片的な情報が発信されます。しかし、「なぜその戦略が意思決定されたのか」といった背景情報やデータは共有されません。
人は断片的な情報よりも、背景情報を含めたストーリーを共有することで物事を理解しやすくなります。カスケードダウンでは、経営戦略に関する様々な情報をストーリーとしてつなぎ、一貫した形で伝えることに重きを置いています。
2.抽象的な経営戦略を具体化する仕組み
企業規模や事業の幅が大きくなると、経営戦略は抽象的で漠然としたものになりがちです。一般的な目標管理制度では、数値目標などは具体的に伝えられますが、経営戦略自体は抽象的なまま伝えられ、具体化する仕組みがありません。
経営戦略が具体性を持たなければ、社員の行動につながりません。カスケードダウンでは、経営戦略を「細分化」するプロセスを通じて、現実的かつ具体的な取り組みに落とし込みます。このように、戦略を具体化することで社員の行動に結びつけ、成果を上げることができます。
経営戦略浸透に向けた3つのステップ
カスケードダウンプログラムでは、経営戦略浸透に向けた3つのステップをトップ層からボトム層まで各階層毎に実施していきます。
STEP1 変革の火を起こす
長年に渡り変革が進んでいない企業の現場では「会社はそんな簡単には変わらない」「会社は何をやっても変わらない」といった「諦め感」や「失望感」が蔓延しています。
このような状態で経営戦略を現場に伝えても「また同じ失敗を繰り返すだけ」と受け取られるだけで、本気で取り組むような状況にはなりません。
STEP1「変革の火を起こす」では、それぞれの組織上の立場や役割を一旦離れ、互いの思いを本音でぶつけ合いながら問題解決へのベクトルを合わせていき、「諦め感」や「失望感」を「期待」や「希望」へと変えていきます。
STEP2 経営戦略を理解する
STEP 2では「経営戦略を理解する」を実践します。経営戦略を「理解し伝わっている状態」にするためには、経営戦略の断片的な情報を伝えるだけでなく、背景にある根拠や意図を具体的な数字を用いてストーリーとして伝えていきます。
さらに、経営戦略への理解と納得を深めるために、双方で十分な議論を行い、互いの目線を合わせながら、誰もが自身のことばで経営戦略を語れるようにしていきます。
STEP3 経営戦略を細分化する
STEP 3「経営戦略を細分化する」では、STEP 2で理解した経営戦略に基づき、事業戦略、部門戦略、現場戦略へと細分化を行います。最終的に、個々の社員が担うべき新たな「役割」「目的」「課題」を決定します。
また、日常業務を成長に向けた生産的な業務に変革するため、「止めるべきタスクやプロジェクトは何か」「不要な仕組みや制度は何か」について議論を行います。経営戦略を優先順位付けの判断基準とし、日常業務の選択と集中を図ります。
これらのステップを通じて、企業全体で経営戦略の浸透を図り、組織全体が一体となって目標達成に向かって進むことを目指します。
プログラムの効果
経営戦略が実行につながる
企業はこれまで、自社の持続的成長に向けて経営戦略をつくり、それを社内に伝え、行動に移すようメッセージを発信してきました。しかしその結果を見ると、経営戦略は期待通りには実行されず、多くはつくっただけで終わっていました。 失敗の背景にあるのは、経営戦略に書かれている内容は伝わるものの、なぜその戦略なのか、具体的な根拠や背景が伝わっていなかったことです。多くの社員にとって、経営戦略は他人ゴトとなり、行動はほとんど変わらなかったのです。 カスケードダウンでは経営戦略について、その背景や根拠をストーリーで現場に伝えていきます。情報を伝えながら社員一人ひとりの目的や課題、役割に細分化し明確化していくことで、経営戦略が〝腹落ち〟し自分ゴトとなり社員の主体的な実行が生み出されるようになります。
組織がまとまり活性化する
今、多くの日本企業の職場では閉塞感やさまざまな組織の壁によって、コミュニケーションや意思疎通が滞り、ミスやトラブル、意思決定の遅延といった問題につながっています。こういった問題に対しては、組織の活性化策としてコミュニケーション研修や対話の場を設けるなどして改善を図ろうとしてきました。 しかし本当に重要なのはコミュニケーションそれ自体ではなく、対話で話す内容にあります。それが問題解決や業績向上につながっていくのです。 カスケードダウンでは、対話を通して会社が何を目指すのかを全社員で共有し、経営から現場までの目線を合わせていきます。そして、目指す目標の達成に向けて、社員それぞれの目的や役割、課題を議論し、互いに協力しながら進めていくことで、徐々に活気を取り戻し、一体感も醸成されるようになります。
社員自ら主体的に学び育つ
多くの企業が人材不足や労働生産性の低下という問題を抱える中、その解決策として さまざまな人材育成の仕組みや制度を取り入れてきました。一方で、「社員がやらされ感で研修を受ける」や「学んだことが業務に結びつかない」などの理由で思うように人材が育っていないことが問題となっています。 カスケードダウンでは経営戦略の細分化を通して、社員一人ひとりに新たな目的や役割、課題を持たせていきます。そして、その新たな目的や役割、課題を持つことで、社員は自ら学ぼうとする意識に変わり、社内の育成の仕組みや研修を活用するようになります。さらに、細分化された自分の課題に取り組むことでOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)が実践され、経験の中から自然と成長します。具体的な成果が出始めると、働きがいやモチベーションの向上にもつながり、さらには離職の防止にもつながっていきます。
手段が手段として機能する
企業が推進するさまざまな改革や仕組み、システム、あるいは企業が保有する有形無形の資産は、基本的にすべて企業が目指す目的を実現するための手段となります。ところが多くの企業では、手段の使い手である社員が、企業が目指す目的を理解していないために、手段自体が目的化しています。本来の目的を理解しないままいくら新たな手段を講じても、企業が目指す目的は永遠に実現されないのです。 カスケードダウンでは、手段の先にある会社が目指す目的を社員に十分に浸透させていきます。それにより、社員は手段を経営の目的を実現するための手段として活用し始め、手段が本来の機能を発揮するようになります。
無駄な取組みが不要になる
これまで企業は経営課題の解決に向けてさまざまなマネジメント手法や課題解決ツール、仕組みや制度を手段として導入してきました。しかし、何のための手段なのかが見えていなかったために、手段が機能や効果を発揮することなく、無駄にしてきました。 カスケードダウンでは社員が経営の明確な目的を理解します。その目的を実現するための手段として、さまざまな制度やツールを主体的に活用し始めることで本来の機能や効果を取り戻します。 一方で、手段として不要なものは削減の対象となります。不要なものを思い切って削減することで、無駄に費やしていた膨大な時間と労力を減らすことができ、大幅な業務の効率化を実現できます。