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CENTERBOARD  石原正博

大企業の不祥事

フォルクスワーゲン社の排ガス規制逃れ、東洋ゴムの免震ゴムのデータ改ざん、旭化成建材の地盤データを転用・加筆など大手企業の不祥事が続いている。

不祥事が起きると、「管理チェック体制の不十分」「モノが言えない企業体質」といった組織内部の問題が必ず取り沙汰される。

もう一つ大手企業の不祥事に共通の背景として考えられるのが、「納期の厳守、数値目標の達成など業績必達のための経営からの過度のプレッシャーが現場に対してあった」ということである。

おそらく、不祥事を起こした企業では、日頃から現場に対して厳しい要求をしてきたことは否定できないであろう。一方で、まさか現場がそんな手段によって結果を出していたとも想定はしてはいなかったのではないだろうか。

不祥事の再発を防止するために、管理体制強化、過度なプレッシャーを改めるということ等が改善策として考えられるものの、一方で、そのことによって業績が上がらなかったらどうするのか、というジレンマも経営者は抱えることになる。

一体どこに本当の課題があるのだろうか?

企業は存続のために業績を上げなければならないことはもちろんのこと、一方で意図しない不祥事によって破たんに追い込まれるようなことも避けなければならない。

このジレンマを解決するための本当の課題とは、不祥事を引き起こすようなやり方、手段以外のやり方で業績を上げるということではないだろうか。

元をたどれば、従来のやり方では到底無理なような目標を達成しようとすることによって、どこか歪が起きて取り返しのつかないような事態に陥るのであり、そこを根本から変えないといけないのである。

多くの企業が、激しい競争の中で生き残りをかけて今以上に結果を出していかなければならない時代において、従来のやり方を変えなければならないからこそ改革という取組みを行っている。この改革というものを正しいやり方で進め、無理のない業績向上を実現することで企業の不祥事を防ぐことが根本の解決なのである。

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